今週の儲かる繁盛店の視点 第500話:「なぜ、表面的な人件費改善がダメなのか?問題特定ができないまま人件費改善をやろうとする企業が陥る落とし穴とは?」
先生 人件費ってどうやって管理するのがいいのでしょうか?とあるチェーン企業の社長さんからのご相談です。
お話をお伺いすると
いま人件費単価が上がっていて、人件費を予算内に収めるようにと指示すると、欠員補充の採用を中止、といったことぐらいしかできず、そこからどうやっていけばいいのか先が見えない。とのこと。
――――欠員補充というのはどういうことか教えていただけますでしょうか?
いままで、やってきた体制を維持するために、退職された人数分の人員を確保するということです。
――――今までやってきた体制を維持できれば、来期の経営目標は達成できますか?
そうはならないと思います。しかし、今やってる体制が維持できなくなると、商品が出せなくなったり、レジでお待たせしたり、営業に支障をきたすのでそこだけでもなんとかしていきたいということです。
――――どのくらいの欠員が発生しているのか教えていただけますか
うちのA店舗の場合、生鮮、レジで3人くらいです。他の売場でも50歳後半のパートさんが多く、体力的に残業してもらうことができないため、そこに短期学生アルバイトを採用して回しています。
しかし、学校の試験期間や行事があると来てもらえないことから出勤日数が少ないうえ、仕事を覚えたころには辞めてしまうので戦力にならないという状況です。しかし、今後、こうした部分の補充をしただけで人件費が超過してしまう。と考えると本当に頭が痛いのです。
―――――何があればこの問題を解決できますか?どんな些細な事でもいいので考えをお聞きかせいただけますか?
採用単価が上昇している状況の中で、昨年並みに人件費を抑え、品切れやレジ待ちを起こさないようにするための対策が必要になります。
人件費が売場ごとに利益が出るように配分されているかどうか?が大事になってくると思います。そこは手つかずのままなので、それが出来るようになると、何とかなるかと思います。
従業員の高齢化が進んでいるので、ここの入れ替えが必要です。新人が入ってきても教育することをしないので、新人が直ぐに辞めてしまうのでそこの教育も必要です。
また、評価なども見直していかないと、売上利益さえとれればよいというやり方だけでは、現状にあっているとはおもえないからです。
―――― 利益を増やすための人件費配分をどうすればいいか?ということと、教育と評価について その可能性について考えるというこということですね?
―――― 特に解決されたい問題は何ですか?
人件費配分です。
――――わかりました。では人件費配分にの可能性ついて、分析して共に考える時間にしていきましょう。
(こんなふうに面談は進んでき)
まず、人件費配分は、日別、時間別の人の割り付けから見ていかないことには分かりません。その実態を調べ、作業定義や作業の流れをはっきりさせることが出発点になります。
店舗の売場作業には、どういうものがあって、どのくらい人が必要なのかを確認していくことで、売場の収益の構造がどうなっているのかがわかります。
こういったことを把握できていませんと、暇な時間帯で従業員数が多いところに、新しく作業を作られていたりします、例えば「売場手直しタイム」や「一斉―クリーンタイム」といった類のものでようするに手の空いた人を意図的に発生せないような手法です。
断っておきますが、手直しタイムやクリーンタイムが悪いということではありません。手の空いた人がいる時間帯には目を向けず、人手の足りない時間帯について大騒ぎしているだけでは人件費の効果的な活用方法は見つけにくいということです。
全体的な人件費配分を把握せずに、欠員が発生したからといって補充投入しても、それが無駄なことになってしまっているかもしれないということです。
さらに近年、お客様のお店の利用方法が大きく変わってきています。
かつて、新聞折込みチラシの初日、専業主婦が朝一で店頭に並んだ時代がありました。しかし、その当時にお客様は今、高齢化で介護施設に入ったり、一人で買い物にこれなくなっている人が増えています。
一方、今は、有職主婦が多くなり、週の大半は仕事終わりの夕刻にお店を利用されます。
朝一で売場を作ってその後は売り減らし…というやり方が通じなくなるというのは、もはや自然の流れといえます。
これからは、終日品切れが発生しない、レジでお客様をおまたせしない作業を組み、人を張り付けていく方式にしていかなければ、人件費は上がり、売上は下がるということが続いていく、ということです。この人件費活用法が他の業務より何倍も重要になのは、これが、企業全体の利益コントロールに直結してくるからです。
詳しくは、セミナーでお伝えしますが、こうした、利益を生む人件費活用法について詳しく説明いたします。
さあ、貴社ではまだ、作業改善と称して、人のいるとこに無理やり作業を割当て続けますか?それとも、儲かる人件費運用法で 作業を人に割り振る手法で大きな利益を手にしますか?