今週の儲かる繁盛店の視点 第520話:「なぜ、人件費の要となる人時の活用が出来ないと経営目標達成できないのか?」
先生、人時売上を上げなさいと指示してるのですが、実際にどうやればいいのか正直わからないのです。
セミナーに参加された、とある企業の社長からのご相談です。
お話をお聞きすると,M&Aでここ数年会社を成長させてきたそうなのですが、本業の小売事業の利益率が低く現場に効果的な指導できていない。
そこで、人時売上を使えるようにしてなんとかしたい。とのこと。
――――人時売上でやっておられることがあれば教えていただけますか?
「はい、販促強化で売上アップをしてきましたが、それに伴いコストもアップして思うように利益は上がってないのです」
売上をとるため販促強化にコストをかけたものの、上手くいかなかったということですが、
人時売上を上げるのであれば、無理に売り上げることよりも、人時を調整していくというやり方もありますが、それについてはどう思いますか?
「ぜひ、それが知りたいのです」
人時売上とは、読んで字のごとく「売上」と「人時」二つの要素があります。
経営として確実に利益を上げていくためには、主体的にどちらの数値について力を入れていくかで、やるべきことは大きく変わってきます。
人時の場合、売上と違い、自分たちでコントロールすることができるわけですから、その分ん着実に結果を出すことが出来ます。
仮に、具体的に人時数を1割減らし店舗運営出来れば、人時売上は10%上がりますし、営業利益も増やすことが出来ます。
一見良いことづくめのように見えますが、手を出しにくいといった側面もあります。
というのは、人は変わることを好まない生き物。やったことがない、知らないことはやりたくないものです。
そのため、多くの企業経営者が「人時」を避けて「売上」だけでなんとかしようとしてうまくいかず苦い思いをされます。
この先入観・固定観念を経営トップから変えていくことが大切で、ここがうまく出来ませんと、人時売上は悪化することはあっても改善することはありません。とはっきり申し上げています。
なぜならば、インフレや円安が加速している中、このまま指をくわえ見ていても、上がり続ける経費を抑えることは出来ないからです。
そうは言っても、・・・今すぐできる方法はないのか?
それは・・・
トップダウンで人時を徹底して使い倒してみることです。
社長の考えを軸に、運営部長を中心に動く推進体制をつくることです。
そこでやるべきことは、
・タイムカード勤務時間は正しく打刻されているか?
・出勤退勤時間や休憩時間は正しく打刻されているか?
・サービス残業や持ち帰り残業をしている人はいないか?
・勤務時間より早く出勤している人はいないか?
などなど・・・
こういった店舗の一人一人の勤務実態が正しい状態になっているかどうか?ひと目でわかるようにしていくということです。
その上で、店舗で働く人がどんな問題を解決して欲しいのか?を集め具体的に改善しいていく、ここまでができないと。人時の最適な運用はスタート出来ないからです。
このスタート地点間違えると、ゴールにたどり着くことができません。
と申しますのは、全社をあげて、この人時を自社で使いこなして結果を出してきたいのに、スタート地点がブレると、いつまでたってもゴールにたどり着けないからです。
スタート地点をブレないようにするには2つのポイントがあります、
一つ目はPJ推進体制メンバーは先入観や固定観念いわゆる「色メガネ」をはずして、店舗がかかえる問題と向き合う状態をつくること。
二つ目にこの改革に必要なリソース(情報・人材等)を社内外からすべて集める状態で臨む。このふたつの状態の軸をもつということです。
多くの企業が、人時で失敗するのは、このポイントを外して小手先だけでやろうとするからです。
その結果、手間とコストだけがかかり、いつまでたっても営業利益が上がらない状況が続くのです。
まずは、この2つの状態を手に入れるべく推進体制を作っていくということです。
全てを受けいれ、その解決のヒントを社内外から集める。これが出来れば半ば解決できたも同然だからです。
そして「色メガネ」を外して、店の意見を受け入れ、課題解決から取り組んでほしいのです。
そうすることで、人時についても答えが見つかり、収益拡大の道は必ず開かれるからです。
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