今週の儲かる繁盛店の視点 第526話:「どうして、A社のパイロット店は1カ月で人時を社内周知することができたのか?」
先生、業務改善を2年前からやっているですが、全く成果が出てこないんです。とあるSMチェーン企業の社長さんからのご相談です。
お話をお伺いすると…
人時生産性について、月に一度ミーティングをしてるんですが、そこでは売上アップ中心の改善策しかでてこないんです。
「もっと、もっと止めれる作業はたくさんあるはず!」と促しても、「売上が落ちてしまう」と言いだす者がいて、とにかく前に進まないのです。
――――例えば、どういった意見が出てくるのか教えていただけますか?
「月間お買い得のPOPの切り替え作業」だとか「企画商品の送り込み」など、店舗で人手がかかるものを減らす。といったことです。
運営部として問題点特定し「どうして欲しいのか?提案するように」といっても、なかなか出てこないこともあって、進んでいかないんです。
――――業務改善プロジェクト事務局はどこがやっているのでしょうか?
「リーダーは運営部長ですが、事務局はSVが兼任してます、それが何か?」
――――なるほど、だとすると、改善の手立てはあるやもしれません。
と申しますのは、主に店舗運営側から出された問題の調査・改善を進めていくのはプロジェクト事務局の役割だからです。そのため、ここがボトルネックになってしまうと何も進まなくなります。
長年やり続けてきた、やり方や前例の壁を崩していくのは、想像以上に手ごわいものです。
プロジェクトリーダーは、そういった壁を壊し、人時と売上を改善していくことが使命ですが、特に「人時」の改善が重要になります。
そのためには、事務局機能がしっかり、人時予算実績管理や、作業指示書の運用状況、非効率な業務の改善提案で、サポートできるようにしておくことです。
そこでは、前提として、人時売上には確実に成果を導き出すため「いつ、どこで、誰が」というシナリオが必要になります。
それがないと、社長をはじめリーダーである運営部長や事務局も動けませんし、店舗も動こうとしないため、そこは、必要に応じてお手伝いさせていただいております。
実際、支援させていただいているA社でも、パイロット店舗で「ニンジってなに?」「一体何が始まるの?」と事務局も店舗の人も、不安そうな顔をされていた。のを今でもはっきり覚えています。
しかし、プロジェクトが始まり1カ月もたつと、事務局や店舗の社員やパートさんは、人時のことについてお互い話し合うようになり、3カ月経つと「こんなムダがあるんですよ!何とかしてください」と、意見をいってくれるようになります。
そこで、ヒアリングミーティングを設けてもらうと、なんと120項目以上の改善要望がドーンと出てきたのにはこちらが驚いたくらいです。
事務局は、それをもとに調査に入り、どのくらいのムダなコストがあるのかを整理していき提案をします。そして、まとめ上げた提案を受け、社長が会議内で簡素化や中止を決断したことで、初年度の人時数は7%改善することができたのです。
「たった7%?」といわれるかもしれませんが、過去5年間人時数は上がっても、下がることはなかったことから、大きな自信になったと。社長ご自身が一番よろこんでおられたのはとても印象的でした。
冒頭の企業が自社で手探りでやって進まないことに2年で気づかれたというのは、とてもよかったことといえます。
私の前職の西友はそれに7年もかかったことは拙著「儲かる個店力最大化のすすめ方」にも書いてありますが、実際お手伝いしている企業の中にもA社のように5年近くそれに気づかず、何十億と利益を垂れ流してしまった企業は何社もあります。
詳しくはセミナーでお伝えしますが
新年度が始まって3カ月、今ならまだ間に合います。あなたも人時改善のシナリオを手にして、業績改善の一歩を踏み出してみませんか?
詳しくは・・・https://www.ravenc.jp/seminar-lp/