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今週の儲かる繁盛店の視点 第541話:「なぜ、業務改善は毎年やり続けなければならないのか?」

先生、人時売上についてやらなくてはと思ってるんですが 遅々として進まないんです。

とあるスーパーマーケットチェーン企業の社長さんからのご相談です。

――――具体的に教えていただけますか?

人時売上について毎月検討会をやってきたんですが、最初は数値がそれほど悪くなかったので、上手くいってるものと思っていました。

しかし、ここにきて急に数値が悪化し始めたんです。

売上が良いなら、ある程度は人を入れても大丈夫という思い込みからか、店舗が人を増やしていたんです。

そもそも、売上がどのくらいなら、人時数はいくらが妥当なのか?といった基準も無いままま、店舗運営に手探りでやらせてしまったことが原因だと思っています。と暗い表情。

――――ご安心ください。そういったことで悩まれ、挽回されていった社長さんは何人もいらっしゃいます。

今、申し上げられることは、この先、人口減や賃上げで、何もしなければ人件費は上がりつづけます。そして、これは、国内企業のすべてに共通している問題です。

シンプルに考えれば、人件費を下げるには、その分を人時数でカバーしていくことが必須になります。

「やっぱり人減らしかあ~」という声が聞こえてきそうですが

最初に、お間違いのないように申し上げておきますが、「人減らし」や「リストラ」といった誰が聞いても疲弊するようなやり方では、人件費改善は絶対はできません。とはっきり申し上げています。

実際にどのような店舗業務があり、そのひとつひとつがきちんと売上に繋がっているか?を経営と本部・店舗が一枚岩になって確認していくということです。

具体的には、

店舗業務一覧を作成することから始め、利益を生んでいない作業を見つけ、止める、簡素化、一括化といったいった方法で、店舗業務の総量を減らしていくことを並走して解決策を見つけていきます。

そうしていかないことには、雇用契約の見直しまでさかのぼって、どこにムダがあるのか特定することができないからです。

それだけではありません、こういった丁寧な手順を踏んでいかないと、優秀な本社員やパートさんが、どんどん会社を去っていってしまうからです。

と申しますのは、クライアント先様の店舗で、ムダが多いと悩みを抱えているのは、現場で働く一部の優秀なリーダーです。

言わずもがな、このリーダーの方々が何に困っているのか?に最初に耳を傾けておかないと、働かない人だらけの店になってしまうからです。

生産性が高く、ムダのない企業というのは、士気が高く、従業員の笑顔が絶えません。給料が高く、結果業績も毎年上がっていきます。

そういった企業の共通点は、何を変えれば、それが実現できるのかが、明確になっているということです。その代表的なものが、人時売上なのです。

人時売上とは、一人当たり時間売上高のことです。一人の人が1時間でいくら売ることが出来たか?ということです。

人時売上自体、各社店別の出てきた結果を分析したり、同業他社と比較して検討することに意味はありません。

大事なことは、何をすれば、人時売上が上がるのか?その仕組み知り作り上げていくことです。

よくあるのが、売れそうな商品の大量陳列、利益率の高い商品の推奨販売、日替わり商品チラシ訴求による客数アップ、等々、期間限定プロモーションをたくさん企画するといった話があります。

もし、1年365日 毎日 全ての売場でプロモーションを企画し大量陳列の売場切り換え、専門販売員をつけての推奨販売、毎日日替わりを訴求したら、どうなるでしょうか?

断っておきますが、販促プロモーション企画が、悪いということではありません。

この費用対効果はどうなのか?ということです。

ご参考までに、クライアント企業A社で調べてみると、全体1割の売上を上げるのに、こうした販促プロモーションにかかる人件費は3割かかっていたというデータがあります。

この調査結果を受け、売上構成比1割に人件費の3割をかけるのは多いので、3割から1割に変え、つぎにその半分の人件費で段階的に改善していきたいという意見が社長からでてきました。

そこで、余った人件費を使い、手薄になっていた、定番売場の品切れ改善や、品出し、棚替えに再配分したことで、売上がアップしただけでなく、この店舗の利益率は翌年2倍にもなったのです。

「いろいろな企画をいれないと、お客様に飽きられないか?」という声が聞こえてきそうですが、

スーパーマーケットの店舗はテーマパークではありません、いつも、同じ棚に、わかりやすく商品が並んでいて、欲しい分だけ買うことが出来る。

それを、毎日提供していくことが出来る状態をいかに維持できてるか?が利用客から求められているものだからです。

社長さん曰く、
「人時売上を使いこなせるようになると、今まで見えなかった店舗の利益構造がわかるようになるんです。

何が問題なのか特定し、増え続けた業務量を減らすことが出来たことが、一番の成果だと思います」とにこやかに語る口調がとても印象的でした。

各社お考えがあるので、どうこう言うつもりはありません。

店舗業務のどこに、ムダが潜んでいてそれをどう解決していくのか?詳しくは、セミナーでもお伝えしていますが、これが分かるようになりますと、やることが絞られ、社員一人一人の仕事のスピードが大きくアップします。

店舗業務を俯瞰し業務改善をすすめていくことは、決して楽なことではありません。

しかし、誰にでも出来き、皆を笑顔に変えていく方法はありますので、うちでもやってみたい。とお考えの方はセミナーに御参加ください。

さあ、貴社では、まだ、何が問題なのかわからないまま、費用対効果の見えない対策に時間をかけつづけますか?

それとも、店舗の無駄を見抜く方法で、人時をどこよりも上手くコントロールし、誰もが笑顔になれる企業に生まれ変わりますか?

次にこの成功を手にするのはあなたの番です。

著:伊藤 稔


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