今週の儲かる繁盛店の視点 第549話:「なぜ、24時間営業でそこまで売上増が実現できるのか?」
先週は、東京も10℃を下回り、木枯らし1号が吹きました。突然やってきた冬にコートを羽織り出勤。過ごしやすい秋はあっという間に終わりを告げ、今年ものこり1カ月半となりました。
大手小売りチェーン企業の中間決算業績は、売上は過去最高でも大幅減益という実態が浮かび上がっていました。
要因は、商品値上げの一巡と、人件費の上昇ですが、その人件費は来期も5~7%の水準で上げざるをえないことが濃厚になってきました。
もし7%もの人件費増を吸収するとなれば、売上で二けた以上の伸びを確保することが条件となってきます。
先日も、
「先生、24時間営業にチャレンジしたいのですがどうすればいいのか?教えていただきたいのですが…」とセミナーにお越しいただいた社長からのご相談がありました。
お話をお聞きすると、少し前に赤字店を閉鎖し、人をそのままにしているため、それが大きな負担になっているとのこと。
かといって、新規出店計画もないので、売上アップ策として24時間ができないものか?というご相談です。
確かに24時間営業の威力は絶大です。深夜の売上が増えるというのは誰でもおわかりなると思いますが、それ以外にも、ビジネスチャンスがあります。
お客さんの少ない深夜に全ての仕事を完了させ、朝一番からベスト店舗コンディションで臨むことで、午前中の時間帯の売上は上がります。
また、販売時間が24時まで伸びるので日付が変わるギリギリまで勝負することが出来、夕方~夜間の時間帯の売上も上がります。
そこに、深夜の売上がプラスオンされるわけで、こういったプラス与件が複合的になると、単に深夜に店を開けただけなのに、日商力が二けた増えたというのはよくあることです。
しかし、気をつけなくてはならないこともあります。
24時間営業にしたものの、「行ってみたら、品切れだらけで買いたいものがない」といったレッテルを貼られてしまったらアウトだからです。
こういったリスクを避けるために「お客さまお問い合わせカード」やそれを受け作業内容をタイムリーに修正していく「人時作業指示書」といったものを活用し、現状の店舗を回せるようにしておくことが必須となります。
と申しますのは、多くのチェーン企業で売上が伸びなくなる原因を、「価格やチラシで負けてる」とか、「立地や規模が良くない」という店舗オペレーション以外にあると思っている方が一定数いらっしゃいます。
そして
それが、「現状を変えるのはちょっと・・・」という抵抗勢力になっていたりします。
ところが、実際にこうしてお客様の声を地道に集めると、そういった意見はあるものの、圧倒的に多いのが「品切れ」に対する問い合わせが7割を占めているからです。
つまり、お店の「品切れ」を開店時に無くすことで、売上は上がる。ということに気づいておられないということです。
こう言いますと「うちだって、開店時に間に合わせようと一生懸命に努力している、それが出来ないから困ってる」といった声が聞こえてきそうですが、
―――――御社のお店で、朝の品出しケース数量はどれくらいで、それらが開店前に完了するには何人必要ですか?とお聞きすると
「えっと・・・」と言葉に詰まります。
開店前に人が足りてないなら、出勤時間を、深夜3時4時とかに早めてでも品出しを完璧にする。といったコトについて社内で議論されたことはありますか?とお伺いすると
「・・・」となります。
品出し数量等の必要情報を共有したり、店舗の問題解決する仕組みを作らず、勘と経験に頼った20年前と同じやり方を続けても、開店時の品切れゼロは実現出来ない。ということです。
だからといって、昼間働いている人に、深夜の3時勤務シフトで…といってもそれぞれの生活があるので簡単にはいかないわけです。
多くのチェーンが24時間営業に失敗するのは、こういった事前準備がしっかできていないからです。
先に申し上げたとおり24時間営業は、確かに売上は爆発的にあがります。
しかし、こうした人員異動ができませんと二重に人を抱え人件費超過で「やっぱり24時間は儲からない」と、あきらめてしまう企業が後を絶たないのです。
ですので、実際にやる場合は、いきなり今すぐ、24時間をするのではなく、まず、今ある営業時間の中で、朝の品出し状態を改善したり、夜間の売上を伸ばしていくことをテストしていくことを徹底していくこと重視しています。
そこでどのくらい売上が上がるか?感触を得ながら、コストを増やさず、最大売上げがとれるように移行していくということです。
そこで必要になってくるのが、24時間人時作業指示書です。
これを使い図上で人を動かすシュミレーションが出来れば、誰でも時間ごとにどのくらい人が必要なのか具体的に分かります。
そこで初めて採用や、人事異動といったアクションに繋げていくことが可能となるわけです。
24時間人時作業指示書で、どこに無駄があり、どこに売上アップのチャンスがあるか分かれば、どのくらいまで利益を上げられるか判断が出来るということです。
ぜひ、御社も人時作業指示書を使い、「人件費はそのままで、売上を二けた伸ばす」ことがどこまで出来るか? 今すぐ チャレンジしてみてください。
詳しくは 弊社セミナーでお伝えしてますが、
次に24時間営業で、地域一人勝ちを手にするのはあなたの番です。
著:伊藤 稔