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今週の儲かる繁盛店の視点 第558話:「なぜ、24時間を通して自社の動きを見ることが重要なのか?」

「先生、目先の難局を乗り越えるため 24時間営業もやむなし。と思って取り組んだ人時売上戦略でしたが、こんなに大きな成果を生み出してくれることになるとは・・・想像もしませんでした。」

ご支援をさせていただいている企業の社長さんからの嬉しい一言です。

実は、こちらの企業、数年前、当社にお見えになった時は、「人が集まらない、夕方の時間や、朝の時間帯に人が集まらず、品出しが間に合っていない」ということが大きな問題でした。

実際に調べてみると、全体の7割が朝に人が集中していて、そこでの欠員が致命的になっているという状況でした。

――――社長、教えていただきたいのですが、もし、その不足人員が、今すぐ手当てすることができたら、その店の人件費はどうなりますか?とお聞きすると…

「えっ」と言葉に詰まられたことを、今でも覚えています。

人が足りていないとこはわかっていたものの、その不足分をフルに採用すると、人件費は大きくオーバーしてしまう。このままでは、まずいということで、社長から「ちょっとまて!」とストップをかけていただいた。とういうわけです。

「木を見て森を見ず」ではないですが、点の問題に気をとられていると、こういったことはよくあることです。ようは部分的に不足してるとこに補充すればいいと思っていたことが、実は、店全体の中で、どこが不足していて、どこで余っているのか?全体的に見直しをしなければならない結構大変な状態になっていた。というコトです。

もちろん、それが分かったところで、個々の社員やパートさんには生活があるので簡単に契約変更やシフト変更はできません。が、まずは、24時間の中で時間帯別の過剰不足数を明確することが人手不足改善の一歩になるわけです。

多くの企業が、こうした人の過剰と不足の問題を先送りにし、人件費オーバーの悪循環を引き起こしています。

今回は、プロジェクト中であったことから、社長ご自身がこの問題を最優先にしたいという想いで、売上と人件費を一つにまとめた指標、「人時売上」を各店長が使いこなせる店舗を2年かけ増やしてきました。

その結果、全社の利益は当初の2倍以上になったのです。

「目先の人手不足だけではなく、24時間の枠の中で、作業の動きを見えるように出来れば、ムダを無くし、地域のお客様に利益と、便利さをもたらすことができる。そのことを強くイメージしながら各店の店長が行動してくれたことが良かったのだと思います。」

と謙虚に語られる社長さんの目は、とても輝いていました。

社長曰く、「24時間営業を単に売上をとりにいくことだけを考えたら出来なかった。24時間をフルに使ったら何が出来るか? 働き方の選択肢をいかに提供することができるか?これに気づくことができたことが大きかった。」といった話も印象的でした。

今の時代、長時間労働はダメという考えが先行し、そのため、正月営業時間の短縮化や24時間営業もやらない。

といったことがまるで正解のように言われています。

やるやらないは別として、一日の最大枠となる24時間で改めて考えてみることで、どこの時間帯で、どういった人が仕事を求めているのか?よりはっきりわかってくるということです。

これは、頭の中で考えているだけでは、全くわかりません。実際にそこでやる仕事を明確にして、行動して初めてわかることです。

24時間は時代と逆行している。夜中はお客さんなんか来ない。働き方改革に反している、だから良くない、どうのこうの言うのは簡単です。

自分のライフスタイルから外れているものは、人は認めようとしないモノ、だから、といあえず、何となく良くない。だから、反対する。

そういった、一般論に流され行動しなければ、人口減の中、益々、人を集めることが出来なくなり、経営が行き詰まるのは時間の問題だということです。

働き方改革とは、生産性の低い店舗運営を改め、生産性が上がる店舗運営に切り換えていくことで、働きやすい職場にしていくことです。

収益があげられる仕組みをつくり、高い給料を支払えるようになるのは、企業と私たちの責任です。

その基準が人時売上であり、利益の出ている企業は間違いなく人時売上が高く、反対に利益の出ていない企業は、人時売上が得てして低いということです。

そういう意味では、人時売上予算を明確にし、店長が店舗をそれでコントロールすることが出来れば、企業全体の利益もあがっていくということです。

さあ、貴社では、まだ、一般論に流され、チャンスを逃しますか?それとも、流れから一歩を踏み出し、大きな成果を手にしますか?

著:伊藤 稔


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