今週の儲かる繁盛店の視点 第68話:「品切れの多いチェーンと少ないチェーンの違い」
第68話:「品切れの多いチェーンと少ないチェーンの違い」
「イトウサン、ウチの店そんなに品切れ多いですか?改めて言われると、そうかもしれないいです」
—-少し前に ご相談にお見えになった、スーパーマーケットチェーンの経営者の声です。
店舗に聞くと、「今日は、たまたま、発注が弱かったです」とか「これは、倉庫にあるんですが・・・」と、店長が口にする決まり文句です。
こういったチェーンの共通点は、この店だけの問題なのか?全店同じようなことが起きてる問題なのか?ということをお聞きしてもあまりはっきりしていないということです。
—–こういうケースは、全社の問題として捉えるべきと考えてくださいと、キッパリ申し上げました。
品切れ問題は、売上低迷と顧客離れを引き起こす深刻な問題です。
しかし、実態とその影響が見えにくいため つい後回しにされ続けてきました。
特に、野菜の相場高や、昨今の商品値上げで売上があがってきている時などは、品切れ問題はより深く潜伏侵攻していきます。
メーカー品切れ、品出しの遅れ、フェイス変更の遅れといった様々なことが複合して品切れは発生します。
その原因を掴むには、品切れチェックを毎日定時に実施していく。この一言に尽きると言えます。
人の手に頼るものは、思い込みや、ミスにより必ず間違いは起こります
それを サポートするのがこの 品切れチェックとなります。
品切れチェックとは、実際どうやるのかと申しますと、大袈裟なものは一切必要ありません。
毎日、品切れ品目の棚を15時に、担当者を決めて、発注端末でスキャンしてその件数を数えられるようにしておけばいいだけです。
3日間同じ商品が品切れしていたり 総品切れ件数が毎日100件を越していたらおかしいことに気づくはずです。
これを売上のように、毎日目で見えるようにすることから始めます。
「メーカー品切れもあるのですよ!」と言う人も多くいます。
—–ではどれぐらいですか?と聞いて即答できる人は殆どいないのも実情です。
実際に 毎日品切れ点検をしていくと分かるのですが、メーカー要因による品切れは、月間で1%未満であることが分かります
裏をかえせば、99%の品切れ原因は店舗の運営にあるということです。
品切れが多いということは、お客様からの問い合わせが多くなるということを意味しています。
その場に居合わせた担当者ならばお客様に、即入荷日を伝えることが出来ても、別の売場の従業員であれば分かる人を探さなくてはなりません。
分かる人を探すあいだ、この従業員の作業は止まります。
人を探す時間を1分として、一日に60件の品切れをしてたら、このお店は毎日1時間の余計な人時が必要となります。
年間だと365人時、時給1000円換算で365千円のムダな人件費を支払っていかねばなりません。
品切れとは、売上とお客様を失うだけでなく、人件費も増大させる原因になっているのです。
これを改善するだけで、どれだけの効果があるかは店舗数を掛け合わせてみれば、影響度は一目瞭然となります。
上がる経費に下がる粗利益率、まずは全社で品切れ問題解決を急ぎ、来年度の戦略コストを獲得することです。
さて、貴社では、品切れ点検はどのくらいのポジショニングにありますでしょうか?
今日も 最後までお読みいただきありがとうございました。
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