今週の儲かる繁盛店の視点 第69話:「動きの速いチェーンと遅いチェーンの違い」
第69話:「動きの速いチェーンと遅いチェーンの違い」
「イトウサン、今度 競合店が近くに出店してくるんですよ」
—-少し前に ご相談にお見えになった、スーパーマーケットチェーンの経営者の声です。
「競合出店は、これが始めてのことじゃあないけど、下がる粗利、上がる経費を踏まえ、競合対策をしなくちゃいけないんです。
一方で、モチベーションも上げなきゃならないので、研修もやってるが、それが活かされる新たな場がなくて、それも萎んでしまう。」
このようなチェーンの共通点は、あれもこれもやりたいと取り組んでは、どれも中途半端で残るものがないということです。
——こういうケースは、新規戦略ありきと捉えてください、ハッキリと申し上げています。
では、新規戦略とは何か?と申しますと、この社長が最初につぶやかれた、「粗利を上げたい」「経費を下げたい」これを実現する戦略を立てるということになります。
「それが、できないから困ってるんです」ということなんですが、現状問題の核心をつき、従業員の意識を革新させるしくみの準備をすることから始めます。
西川産業は創業450年で日本で最も古い寝具メーカーであります。
現社長は婿養子で社長となったのですが、受け継がれた時はいつ潰れてもおかしくない状況にありました。
その450年という歴史の企業を変革するには、何をやめて、何を残すか。
本当の意味で 今 何をやっていけばいいのかと対峙した結果、赤と黒の奇抜なデザインの「Airマットレス」を開発し起死回生させました。
その中で、一番難しかったのは、「寝具の色を変えるよりも 従業員の意識を変えることだ」とハッキリ言っています。
これは、実に深みのある言葉です。
店舗の運営も共通することが多く、創業時からやってきたことであっても、形骸化してしまっていたり、無意味な業務習慣はたくさんあります。
そういことに、気づかずに日々営業を続ければ、世の中の変化かから取り残され、変革のチャンスを逸することとなります。
なぜ、経費が上がるのか?引き下げるために 店舗の一つ一つの業務がどれくらいあって、その中身はどうなっているのか?
果たしてそれは、直接利益に結びついているのか?
不要な作業があれば、その分の経費を 新しい利益獲得策に回すことができないのか?まずは、ここが出発点となります。
そして、チェーン店として、店舗の計画販売力をいかに高めるか?にかかってきます。
単に販売力を高めるのではなく、計画してそれがどうであったか、ということが分かるようになっていなければなりません。
計画販売力が安定して始めて、メーカーとの信用が出来上がり商品確保が出来上がるわけです。
プライベートブランドを作るにしても、この計画販売量がなければ、赤字プライベートブランドとなってしまいます。
変化に対応するために、何を変え、何を残すか?
この切り口と手順がはっきりと見えるだけで、従業員の成長意識のエンジンが始動します。
一旦始動すれば、あとは、どこへ行きたいか、社長がハンドルを切れば目的地にたどりつくことができます。
それには、経営として高い目標を掲げ、攻略する戦略をイメージし言語化していくことです。
その戦略の中で、何をやめ、何を取り入れるかという質問を投げかけ、従業員の判断力を鍛え強くすることです。
これにより、霧の中でどちらに進んだら良いか、悩むことが無くなり、利益にプラスとなる時間が増えるようになります。
そして、今まで、何かを言い出すと、言いだしっぺが責任を取らされた社内風土が、優れた者に注意が向けられ、力が集まる企業風土に生まれ変わります。
企業が変革する姿は、さなぎが蝶になるように感動的で、何時であっても美しく光り輝いています。
さて、御社でも 従業員が「もうやるしかない」と夢中になる 業務改革を始めてみてはいかがでしょうか?
今日も 最後までお読みいただきありがとうございました。
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