今週の儲かる繁盛店の視点 第73話:「コスト管理で最大効果の出せる企業と出せない企業の違い」
第73話:「コスト管理で最大効果の出せる企業と出せない企業の違い」
「イトウサン ウチもEDLPをやっていこうとしてるのですが・・・」
—-少し前に ご相談にお見えになった、チェーンの経営者の声です。
ちょっと待って下さい。そんなに簡単には上手くいきません とキッパリ申し上げました。
前職の西友でもやっている、エーブリディ・ロープライス(通称EDLP)というしくみは、単に商品の安売りすることではありません。
日々の中で、小さなコストのムダでも、365日積み上げれば数千万、数十億になるわけで、まずはそのお金を集めることがその前に必要となります。
EDLPとは、これを突き詰めて、結果的に出来上がったビジネスモデルであります。
同じ商品を買うのであれば、近所の競合店舗よりも安く買える品揃えが多く、買いものできる時間が長ければ、家計の節約に大きく役立ちます。
このやり方を整理していくと、ムリムダが少ないことが分かり、それを経営判断して移行に踏み切ったのです。
現在も西友は連続増収を続けている様子ですが、それには、安定したコスト管理ができるということが大前提となります。
安定したコスト管理とは、人時(にんじ)管理することであり、人時を制するものが全てを制すると 言われる所以であります。
したがって、人件費で管理をしているうちは、コスト管理などは出来ません。とハッキリ申し上げています。
人件費管理で、責任の所在が不明確なまま、お金が使われているようでは、チェーン経営として利益が枯渇するのを黙認しているのも同然と言えます。
チェーンストアとして成長するには、コスト管理の仕組みを導入し、有望市場に経営資源を投入することを考えなければなりません。
そのためには、売上利益予算を策定する段階で、経営は積極的に関わっていかなければなりません。
売上高だけではなく、コストも合わせて管理できる指標が不可欠であり、それが人時売上高と言えます。
人時売上高とは、売上高÷店舗人時で算出しますが、売上に関わる仕事に人時を集中させているかどうか、ハッキリと現れる指標です。
無駄の多いお店であれば低くなりますし、人手が不足しているお店であれば高くなっていきます。
そもそも、店ごとの人員配置計画が何を基準に作られているのかという考えがなければ、販売体制の最適化などありえません。
まずは、この人時売上高を店舗ごとに出るようにすることが、経営として最初にやるべきこととなります。
この数値が高い店、低い店、標準的な店を見つけ、なぜそのような状態になっているのかを 店長に訊ねることです。
そして、課題解決に何が必要なのか?何が障害となっているのかを聴いて、本部として解決すべきステップを踏んでいくこととなります。
その上でEDLPに移行させていくわけですが、EDLP戦略をとらずとも、この時点で残る利益が大きく変わってきます。
いま、多くの中小チェーン店の方々お会いする中、社長自らが弊社セミナーにご出席される会社は この手法で成功を手にされておられます。
さあ、御社でもこの機会に、個店力最大化のためのコスト管理を 始めてみてください。
今日も 最後までお読みいただきありがとうございました。
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