今週の儲かる繁盛店の視点 第84話:「店舗改革プロジェクト立ち上げの条件とは」
第84話:「店舗改革プロジェクト立ち上げの条件とは」
「イトウサン 改革プロジェクトメンバーには誰を入れればよいでしょうか?」 以前ご相談にお見えになった チェーンの経営者からのご相談です。
月に一度の定期ミーティングは 社長と行っていくわけですが、店舗運営の責任者とその実動部隊にも同席してもらいます。
プロジェクトと言いますと、優秀な人材だけで固めようとされるんですが、必ずしもそれが良いとは限りません。
そのメインは「ムダな業務探し」となるゆえ、言われたことを遂行する能力はあっても、今まで是としてきたものを 見直す作業はこういった方々には向いていないのです。
一言でいうなれば、現場を良く知り反骨精神の強い人材です。
今あるルールに対して問題意識の高い人材でなければ、現場の不満や問題点、そこに潜むムリムダは見つけることが出来ないといっても過言ではありません。
かつてお手伝いさせていただいた、スーパーマーケットのプロジェクトがまさにそうでして、人事部の優秀な社員ばかりでチームを作ってしまったばかりに、全く現場のムダが中々抽出出来ない状態であったのです。
創業社長が作ってきたルールを壊すことは、優秀社員には絶対できないのです。
むしろ一度や二度降格させられた経験があるとか、社内で点々と日の目を見ない部署の異動させられた持ち主であるとか、物言う社員が数人いることが好ましいのです。
こうしてこのムダを宝に変える準備をコツコツと進めていくわけですが、やっていきますと、建物が出来あがるように、今まで見えなかったものが見えるようになり、プロジェクトが本稼動しはじめ変化が実感できるようになります。
ここからが、大事でして、ゴールは見えても時間予測をたてられませんと、時間内にたどり着くことができません。
店舗と本部のやるべきことは山のようにありますが、中でも、店舗の不要業務を無くすための、主管部との交渉で押し切られないためには、その事前準備とシナリオが必要です。
そこには、社内政治であったり、足の引っ張り合いといったことが当然あるわけでして、それに捉われ過ぎると時間切れとなってしまいます。
プロジェクトリーダーは95%の確率で主管部を説得し、納得させることができる社内調整能力がある人の選出が条件となります。
一方では、メインである改革の目的や手順の最短達成の導線づくりは、全く別の能力となります。
ある店舗は出来ても、他の店にもっていくと通用しないということが多々あります。
これは、その人の持つノウハウが、導入できるように体系化がされていない、という問題があるためです。
プロジェクトリーダーは、改革手順を成文化する能力を 備えた人材であることも条件となります。
社内調整と改革ノウハウを兼ね備えた人材を探すことになりますが、いない場合は、プロジェクトを通じて人材育成をしていかねばなりません。
併せて、実績のある人材をヘッドハンティング会社を通じてスカウトしたり、ノウハウをもつ会社と組んでいかなければ、プロジェクトは成功することはないと断言できます。
個店力最大化とは 店が独自に考え、光り輝くために、ムダを無くし、利益を出し続ける人材を見つけ、力を最大に発揮させることです。
今は、まだ出来ていなくても、そういう会社にしていきたいという、情熱と志のある企業がこの手法で成功を手にされてます。
さあ、次にプロジェクトで成功するのは御社の番です。
今日も 最後までお読みいただきありがとうございました。
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