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今週の儲かる繁盛店の視点 Vol.28「ムダな業務を温存させない方法で成長する会社とできない会社の違い」

 

28話1

第28話:「ムダな業務を温存させない方法で成長する会社とできない会社の違い」

 

 

 最近、お問合せで多くいただくのが、「店舗コストのムダを減らす手順について知りたい」というご相談です。
 
—-「店舗のムダは、本部でなければ減らすことは出来ません」とお話しております。

 店舗のムダを減らす目的は、当然「お金を残したい」ことが一番の理由です。
 ところが、構成比の高い人件費ということについてお話をさせていただきますと、ムダを減らしても お金が浮くということはない。ということです。

 冷静に考えていただければ当然のことなのですが、ムダをなくしても、その業務に携わる人との勤務時間契約の変更をしない限り、人件費は変化しないからです。

 そういった、プロセスを経ないで新規採用中止とか、残業禁止といった 表層的な部分で強制的に人手を減らせば、不満と混乱が起き、なによりもお客様に直接的に迷惑がかるのです。

 そもそも、チェーンの各店舗業務は本部指示の積み上げで構成されています。

 つまり、利益が出ない作業原因の8割は、指示をする本部側にあるのです。

 店舗への指示は、本部のその時その時の担当者の指示でも変わる為、ベストな指示が出されされているわけではありません。

 指示された店舗側では 開店当初から何十年も見直されていなかったり、二重作業でムダだとわかっていても、店舗で勝手に止めることはできないのです。

 本部は「やるべき業務」の指示は出しますが、「やめる業務」の指示は出しませんから 業務は増えることはあっても減ることはありません。

 その結果、チェーンでありながら、店毎にいくつものやり方が存在し、その実態が把握されないまま店舗運営がなされています。

 お客様に提供する品揃えや 地域特性に合わせた個性的な売り方で売上は上がりますが、裏方作業は統一されなければ効率は上がりません。
 このまま、チェーン店として店舗数を増やせば、少しの時間も膨大なコストと化していくわけです。

 高度成長期に、このやり方で拡大していった日本最大の大手チェーンストアはこの部分で苦戦をしているのが実情です。

 店舗を増やすのと同時に店舗運営の流れを改善し 店舗作業が膨れ上がるのを防止する装置が必要といえます。

 私の前職の米国本部には、この装置があったため、コストを押さえて運営する方法が定着していました。
 国内で、売上一兆円規模の総合スーパーで黒字転換できたのは、この防止装置の功績の1つと言えます。

 

 例えば、店舗作業の棚卸しを実施し、形骸化された報告書や、二重の点検業務実態を把握します。

 それにどのくらいの時間がかかっているかを計測し、本来やるべき業務だけに絞込みをすると、店舗作業時間は激減することがわかります。

 日本のチェーン店が儲からないのは、やめる業務を決め、それを売上利益をとるための費用に変換する仕組みがないのが最大要因です。

 

 これから店舗拡大を目指すチェーンは、こういった問題を浮き彫りにする装置=「店舗運営改革」をもたなければ、拡大成長は不可能と言っても過言ではないでしょう。

 店舗運営本部に「店舗運営改革」という機能を設置し、本業に関わるコストをここで定点チェックをし改善を提言していくことで、本部の官僚化が防止できます。

 

 また、店舗業績が少し良くなると、本業に関係の無い多角化戦略をやるようになります。

 こういった時も、「店舗運営改革」が設置されていれば、そこにかかる作業時間や必要コスト目標売上を試算します。

 この視点をもつ部門があるかないかで会社の危機を回避することもできますし、これからの出店強化には不可欠なセクションといえます。

 販売、集客、接客対話、に十分なコストを確保していくためには、店舗運営の適正値を知り、不要なコスト増を予防する組織なしには稼ぐことはできません。
 メーカー、製造業では研究開発部門がありそこで主力商品が生まれ 企業のウリとなります。
 チェーンストアの主力商品のウリは販売、集客、接客対話の優れた店舗展開です。この研究開発部門が店舗運営改革となります
 大事なことは、店舗運営が主体となり業務変革、イノベーションを引き起こすことが、儲かるチェーン店づくりの礎になるというです。

 各チェーンの社長の願望である「店舗コストのムダを減らす手順」は正攻法であり、それを実現させる人材育成こそ儲かる繁盛店の肝と言えます。

 さて、貴社におかれましてはこの組織「店舗運営改革」すでにお持ちでしょうか?
 

 

 今日も最後までお読みいただきありがとうございました。
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